マガジンのカバー画像

みんなの星野リゾートnote(全記事)

2,270
星野リゾートのスタッフのnoteをマガジンでまとめています。 暮らしている土地の話やお気に入りのスポット、働いていて感じたことや考えたこと、自分の大好きなものや趣味など、全国各地… もっと読む
運営しているクリエイター

#自然

森を見下ろす 【奥入瀬 24/5/14】

昨日のホオノキ橋にて、真下に見下ろせるホオノキの花の蕾を観察していた時のこと。 それよりも低い位置で枝葉を広げている樹の枝振りと葉の付き方が綺麗で目を奪われました。 葉の重なりをなるべく避ける工夫は森の中から見上げているだけでは分かりにくいのですが、上から見下ろすことでとてもよく分かるのです。 冒頭の写真はミズキの枝振り。 限られた面積に効率良く葉を広げています。 雨が降り始めた時のブナ林の中は聞こえてくる音ほど雨を感じないのですが、それはこの立派な屋根のおかげなのかも

ホオノキ橋 【奥入瀬 24/5/14】

ここ数年、初夏の恒例行事になっているホオノキのお花観察の時期がやってきました。 飛騨高山地方の郷土料理、朴葉巻きや朴葉味噌に使う大きな葉が特徴の樹木です。 葉っぱも大きければ花も大きい! 大人の顔をほとんど隠せるくらいの大きな花が咲き、特徴的な強い芳香を放ちます。 花が見えていなくとも、その香りだけで咲いていることに気付けるほどです。 ホオノキの花は高い位置に咲くことがほとんどなので、普通は上の写真のような見上げるアングルでの観察を余儀なくされてしまうのですが、とってお

春の星空 【八甲田 24/5/11】

今日の記事は2日ほど時を巻き戻します。 この日は島根県の界出雲で働く仲間が奥入瀬渓流ホテルに遊びに来てくれていました。 たまたま星が良く見えていたので、せっかく来てくれてるんだから案内するよ! ということで、お気に入りのスポットへ。 オリオン座をはじめとした冬の星座たちはすっかり地平に沈み、高い位置に移動した北斗七星や春の大三角が季節の移ろいを感じさせてくれます。 朧げな三日月が八甲田のど真ん中に浮かぶ様子がすごく良かった。(写真じゃ三日月に見えないけど) よく見る

今日の奥入瀬渓流 24/5/12

今日は敢えて穏やかな平瀬に注目してみる。 苔岩の隙間を激しく奔る流れも良きですが、ゆったりと穏やかな流れもいいものです。 緩急自在に表情がうつりかわり、静と動のどちらも楽しめるのは奥入瀬渓流のいいところ。 穏やかな流れには森の色が良く映ります。 奥入瀬渓流の森は激しい増水によりリセットされることがないので、川から一歩上がった瞬間からしっかりと森が発達しています。 川岸に生育する樹は陽当たりを求めて、流れの上の方に枝葉を伸ばしていくので、天井の空が抜けて見えることはほ

花の絨毯 【奥入瀬 24/5/11】

私の毎春の楽しみのひとつ、お花の絨毯。 林床の隅々まで白い花が咲き誇る様は圧巻です。 ニリンソウというお花で、沢沿いなどの湿った環境をよく好むので、この時期は奥入瀬渓流のあちこちでお花畑を楽しむことができます。 一面お花の写真を撮るならニリンソウ! というぐらい、高い密度で咲いてくれます。 このニリンソウの花の上にもチュンを乗せようとしたんですが、さすがに失敗しました。 別のお花で挑戦中です(^^)笑 奥入瀬渓流だけでなく十和田湖畔にも全体的にニリンソウの大群落が存在

北海道の思い出たち

今日は撮影データの入った大事なカメラを忘れて帰宅してしまいましたっ! というわけで、まだまだいっぱいあった北海道の思い出をちょっとだけ振り返ります。 冒頭の写真はシノリガモの群れ。 メス2羽に対してオス7羽とアンバランスな感じ。 穏やかそうに見えるけど、誰が姫を射止めることができるかという熾烈な争いがあるんでしょう… 基本的には冬鳥として日本に飛来し、春になると繁殖の為にシベリア東部やカムチャッカ半島などの繁殖地へ帰ってしまうのですが、北海道や東北の一部では繁殖が確認さ

葉っぱとチュン 24/5/9

何気なく森を歩いていた時のこと。 「この葉っぱの上にチュン乗りそうだな…」 と、ふいに思いついてしまいまして。 チュンってなんだ?という方はコチラ↓ 思いついたらやらずにはいられない。 ポケットにチュンを忍ばせて森へGO! …めっちゃ簡単に乗る笑 ミクロチュンは見た目に違わずとっても軽いので、葉っぱにも難なく乗ります。 冒頭の写真はトチノキの葉っぱ。 バツグンの安定感! 1枚目のトチノキは4年目の若木でしたが、こちらは生まれて3〜4日のベイビー。 今はチュンの留

蕗の塔 【奥入瀬 24/5/6】

この白くて丸いフワフワがたくさんついている背の高い植物、なんだか分かりますか? これ実は、フキノトウなんです。 (分かりやすくフキノトウと表記しますが、植物としての正式名称はアキタブキです) 意外と分からない人が多くて、こんなにでっかくなるの!?と驚かれます。 山菜として名高いだけあり、食べ頃を過ぎると忘れ去られてしまうのかもしれません。 この白いフワフワの様子を見て、タンポポを連想した方も多いのではないでしょうか。 種を散布する仕組みはまったく同じで、風に吹かれてフ

今日の奥入瀬渓流 24/5/5

最近は早朝のツアーを担当しているので、スーパー早起き生活が続いています。 その流れで朝5時の奥入瀬渓流をおさんぽ。 ゴールデンウィーク真っ最中でかなりの混雑が続いていますが、やっぱり早朝は静かでイイ。 まだまだ新緑ではあるけれど、すでにほんのりと初夏の気配も感じつつあります。 川中の苔島に彩りを添えるツツジ。 木漏れ日が煌めく様子もいいけど、朝早くの落ち着いた緑の様子も良きかな。 さて、ゴールデンウィークもあと少し。 もう一踏ん張り頑張ろう。

オオルリ峠 【十和田湖 24/5/4】

昨日の記事でご紹介したオオジシギの求愛行動を見に行った時のこと。 雑談していたら、「オオルリも見たいんだよねぇ…」と、友人ご夫婦の旦那さんがぽつり。 バードウォッチングの世界の面白さを知ったなら、誰しもが一度は憧れるであろう野鳥です。 …見せるっきゃない!! しかし、森の展葉具合はすでに7割強。 双眼鏡の扱いに慣れていないと、サッと捉えるのが難しくなってくる頃合いです。 オマケに奥入瀬渓流の森は天井が高く、バードウォッチングを楽しむにはちょっと難易度が高い。 さらに、オ

アイヌと建築と工芸の世界

今回のおすすめの宿 アイヌと建築と工芸の世界  これは気になって足を運んでみた展示会。随分と日が経ってしまったけれど、最近民族文化について触れる機会が多かったので書いてみたくなった。アイヌとは主に北海道地方の先住民族で、固有の精神文化を持っている。それは「自然界すべての物に魂が宿る」という考え方だ。アイヌでは神様をカムイと呼び、それは動物や植物、山、川もそれにあたる。アイヌの物語を調べてみたら熊とか狐がカムイとして登場していた。また面白いと感じたのは人間が作った生活用具も

黄昏さんぽ 【八甲田 24/5/2】

この日は退勤後にお気に入りの高原へお出かけ。 一人で行くこともよくありますが、今日は鳥曇のスズメさんと友人ご夫婦と4人で。 仲間がいるとより楽しくて嬉しい(^^) 目的はとある野鳥の求愛行動の観察。 野鳥のことをよく知らなかった頃は陽が沈み始めると大人しくなるものと思い込んでいましたが、そうでない種が意外といることに驚きました。 フクロウなんかは夜行性の代表格ですよね。 目的の野鳥はオオジシギという野鳥。 とてもユニークな求愛行動を取るのです。 夜行性とまでは言わないも

水鏡の美 【蔦の森 24/5/2】

風のない穏やかな朝。 時を止めたかのような蔦沼の水面に映る新緑。 思わず息を呑んでしまいます。 ↑どちらがホンモノの八甲田山でしょう?↓ 正解は↓の八甲田山でした! ↑の八甲田山はよく見ると森の縁が滲んでいます。 でも、滲んだ森も水鏡の魅力。 ビタッと止まった精細な水鏡よりも、優しく滲んだ水鏡に惹かれてしまいます。 波紋が広がって森が少しずつ滲んでいく様子なんかはいつまででも見ていられます。 蔦の森では静の水の美しさ、奥入瀬渓流では動の水の美しさ、どちらも甲乙つけ難

春色 24/5/1

あっという間に5月。 森もすっかり春色です。 色彩の豊かな季節といえば秋ですが、春も負けず劣らず素晴らしい色彩を見せてくれます。 いつも見ている山なんですが、こんなに桜あったっけ?と思うほど今年はよく咲いています。 ちなみに、弘前公園のさくらの多く(特にソメイヨシノ)は葉桜になってしまったそうな。 それでも約50種類もの桜が植えられているだけあって、まだまだお花見を楽しめるそうです。 桜づくしの弘前公園も素晴らしいですが、私は新緑に囲まれて引き立つ桜の方が好きかも。